「2021年夏 日本に到着〜コロナ禍の里帰り」珍道中メモ〜Vol.3

ジャムズネットスイス会員の神谷未夏様より
スイスから日本への帰国についてのお話を
エッセイ調にしていただきました。その第三弾をお届け致します。

「2021年夏 日本に到着」
〜日本到着直後の隔離ホテル暮らし 2日目〜

今日はクロネコヤマトの書き込み用紙を届けてくれた、厚生労働省のおじさんとおよそ20秒以外、誰ともLiveで接することがなかった!昨日はそれすら皆無だったことを考えると、おじさんの戸口までの訪問はなんだか新鮮で嬉しかった。

でもインターネットが通じるおかげで、偶然にも同じ境遇にあるお友達と、お互いの持っている情報を交換しあったり、慰め励ましあったり、またたくさんの方からご相談やご質問やお尋ねをいただいているので、そのやりとりで「大人電話相談室」状態で1日が終わりました。


(
現在ここ東横イン成田空港には1000人収容されているそうで、皆さんがネットを使いまくりのせいか、接続が悪いのが玉に瑕)

館内を1歩も歩くことができないので、建物の作りや位置関係もよく把握できていません。方向感覚に優れている私でさえも、ちょっと東西南北さえ調べなければわからないような環境です。

それでも大好きな映画、ヒッチコックの「裏窓」の、車いすで部屋から1歩も出られなかったジェームススチュワートになった気分で、「あ、あの部屋の人もラジオ体操やってる?」、「子供たちはやっぱ退屈しちゃうよね」、「ずいぶんのんびりお寛ぎだね」などなど

夕方灯りが灯ると、何となく見てしまいます。位置確認や健康状況をチェックするアプリを5つも入れさせられましたけれど、そのいくつかから、日に何度も心臓に悪い呼び鈴とともに、呼び出しがかかります。にもかかわらず、出た瞬間に切れるというのが何度もあって、まるで瞬時に出なかった(といっても5秒後には出ている)

こっちが悪いことをしたような気持ちにさせられるのですが、これはどういう事情からでしょうか?仕事やる気ないのに、ただかけただけ?

私は「打てば響く」をモットーに暮らしているので、こういうのはすごく嫌だし変です。

お弁当はさすがにそろそろネタが尽きてきたようで、知っている味、知っている具材ばかりになってきました。この辺もコメンテーターとしてアドバイスを入れたいです。日本人には典型的なおつけものとか煮物のお弁当は慣れているものとも言えるけれども、毎食はきついです。これは外人の人にとっては地獄ではないかと思いました。もうちょっと洋食っぽいものも入れましょうよ。機内食を見習っておそばがあったらいいのにとも思いました。あと、毎食テトラパックのまずいお茶とまずいフルーツジュースを入れるのはやめたほうがいい。クオリティの低いものをずっと繰り返されるのは拷問です。飲む気がなくなるので、残ってしまってもったいない。それよりミネラルウォーターのほうがずっとありがたいです。とんでもない量の同じメーカーさんからの飲み物が繰り返されるのは、やはり業者との癒着があるのかなと思いますが、もっといろんなメーカーを使えばいいのに。

明日の夕方ここを出所、解放される。成田空港からは公共交通機関は一切使えないこともあり、親は運転卒業、恩師が迎えに来てくださるのですが、先生との再会と夜、母が私の好物を作って待っててくれるというのが、今の心からの楽しみ&希望。そしてご褒美です。

3日という期限、そして、その後実家でも2週間という期限があるのが救いです。やっぱり無期懲役を言い渡されたら辛いだろうなぁと、残りの人生も品行方正に、面倒に巻き込まれずに、清く正しく過ごしたいものだ!と思いました。

…続く

(ジャムズネットスイス会員  神谷未夏様  渾身のレポート)