スイス フランス語圏の場合
ご結婚を機に、日本からジュネーブ近郊へ引っ越される予定の方から、看護師として働きたいのだけれども、どういうことをしなければならないのでしょうか? との質問をいただきました。
免許認定の際に必要とされることは、個々人の学歴/職歴で違いが出てくるのですが、ここで、大まかになりますが、スイスはフランス語圏の場合、どのような過程を踏んでいくかを、ざっとご説明させていただきます。
わずかな情報提供となりますが、「スイスで看護師として働きたい」という希望を持っていらっしゃる方々の、参考になれば嬉しいです。
スイス赤十字社へ必要書類を送付
外国で取得された看護職免許の認定は、スイス赤十字社の管轄です。
スイス赤十字社のインターネットサイト redcross.ch に、Precheck という項目があり、これを通して、まずは必要書類を送ってください と指示されます。
どのような書類かというと
- 看護師免許証(公証人サイン入り)
- 専門分野の免許証
- 看護教育カリキュラム、専門分野も含む
- 成績表
- 就労証明証
- フランス語検定 DELF レベルB2 証明証
これらの書類は、認定を受けた日本人翻訳者によりフランス語に翻訳されたもので、さらに免許証に関しては、公証人のサインがあることが求められます。
これら全ての必要書類が揃ったところで、Precheck に送ると、まず、あなたの看護師免許が、スイスにおいて認定可能かどうかの審査(無料)がなされます。
スイス赤十字社から指示が出ます
それをクリアすると、第2段階。
スイス赤十字社から、何をしなくてはいけないか、具体的な指示が出されます。
例えば : xx ヶ月間の実習を、どのような医療施設で
学校(Espace Compétences ヴォー州に位置する)にて、
xx 日間の授業、そして試験を受ける
などなど…
冒頭で述べたように、この 部分は個々人で変わってきます
一番の難関は語学
この過程で一番の難関は、やはり語学。
フランス語検定、DELF レベルB2は、正直なところ、とても難しいです。
レッスンを通して学ぶのはもちろん、日常生活の中でいろいろな体験をすることで、はじめて身についていくレベルと言えます。
さらに実習をしたり授業を受けるには、日常会話に加え、医療/看護専門用語に通じていることが必要になりますので、しっかりした語学の準備が必要です。
スイスでの滞在許可証が必要
晴れて、指示を受けた内容を全てクリアした暁には、免許の国家登録申請を
するのみ。その時に、スイスでの滞在許可証を持たれていることが必要になります。
費用は個人差があります
さて、ここで費用のお話。お金はどのくらいかかるのでしょうか?
これもケースバイケース、個人差がかなりあるでしょう。
というのも、日本で3年間働かれた方と、20年間いろいろな場所での職歴があり、さらに保健師免許や助産師免許も持っていますという方では、翻訳しなければならない書類の数が違ってきますし、フランス語検定の準備として、3ヶ月のレッスンで済む方もあれば、数年間にわたるレッスンが必要になる方もいらっしゃる…
書類の翻訳代だけでもばかにならないし、スイスでは、こう言ったオフィシャルな申請とか登録に要する諸々の経費、語学学校のレッスン代も、日本と比較して、高くつきます。
この過程全体に必要な費用を概算すると、日本円にして、最低でも30万から40万円といったところでしょうか?
さまざまな対応を求められます 諦めないで
時として、手続きが滞ったり、担当者が変わることで対応が変わってきたり、全てがスムーズにいかないことも…
法改正も時々行われているようです。
筆者自身がこれを体験した時とは随分やり方が変わっていますし、これからも改良、変更があることでしょう。
時間にして1年から2年かかりますので、どっしり腰を据えて取り組んでください。
スイス ドイツ語圏へ行くと、フランス語圏とはまた対応が違ってくる可能性があります。
できれば、最新の免許認定を体験された方にアドバイスを受けながら、手続きを進めていかれることをお勧めいたします。
応援しています!