2020年7月に設立しました。

趣意書・祝辞

設立趣意書

設立趣意書

  1. 非営利団体スイス邦人医療支援ネットワーク (Japanese Medical Support Network Swiss)の設立。
  2. 目的:邦人医療関係者間の情報交換・連携。スイス在留邦人の医療分野での支援。
  3. 背景:邦人は公用語が4つ存在するスイスで自身の身体的、精神的な状況についての医療へのアクセスが、日本在住時に比べて問題が大きく、なかなか困難な 状況にあり、苦労を強いられている。特に精神面についてのカウンセリングや治療においては言語的・文 化的背景の理 解が必須であるため、邦人にはより一層厳しい環境である。大都市チューリヒやベルン、ジュネーブにおいては邦 人の医 師・ 看護師・カウンセラー等が医療専門職として活動している が、スイス全土においては、邦人医療専門のコミュ ニティや支援ネットワークが不完全で あるといわざるを得ない。スイスの医療制度および 環境は他の国々と比しても充実しているが、外国人の中でも極少数派の日本人はそのサービスを十分に受けることは個人の力量に左右される要素 が大きく、邦人社会全体としての支援体制の確立や専門職による相談窓口、協力体制が必要である。
  4. ネットワークの概要
    (1) 名称:スイス邦人医療支援ネットワーク(略称、JAMSNET-Swissもしくはジャム ズネット-スイス)とする。

(2) 参加メンバー: スイス在住の邦人医療・介護関係者等の本趣旨賛同者・大使館・総領事館の領事・医務等担当官とする。入会は、ジャムズネット・スイスの目的に賛同した上で、所定の申込事項を記載して申し込む ものとする。

(3) 代表: 代表は会員の互選とし、任期は3年とする。原則として代表はジャムズネット・ ワールドの理事を兼任する。

(4) 活動内容: メーリングリスト、ウェブサイトを介して、スイス国内に在住あるいは滞在 中の邦人に対し、相互扶助の精神に基づき、医療、保険、福祉、教育、生活などに関する情 報提供や情報共有の場を築き、邦人の利益の増進に寄与する活動を行う。また、メンバー間 の勉強会、一般邦人向けの医療関連の講演会なども行う。

(5) 他地域との連携: 他国の同様な団体と連携することにより、他地域の医療関係者との情報交換を可能にし、照会・紹介先としても確保する。具体的にはジャムズネット・ワールド、世界各地域のジャムズネット(東京、ニューヨーク、カナダ、アジア)、メンタルヘ ルスネットワーク、医務官ネットワークなど。

(6) 有事・緊急事態の発生時: 大使館・総領事館と協力して邦人の被害状況の把握などの 情 報収集、邦人に対する情報発信に有効である。またテロや自然災害発生時、邦人支援 の ためのボランティアが必要になった状況でのリソースとしてもネットワークは有効に機 能することが期待される(テ ロ・大規模災害、流行感染症、自然災害の発生時など)。

(7) 他地域の事例: こうした官・民協同の邦人医療支援ネットワークとしては、(5)に挙げ たジャムズネットがある。ジャムズネットは2006年1月に、米国日本人医師会が中心とな りNY総領事館 が側面支援する形で設立された邦人医療支援ネットワークである。帰国者 を中心として2009年に立ち上がったのがジャムズネット東京である。現在、ボストン、ト ロント、バンコクなどの邦人支援団体と連携が行われている。

以上

2020年8月1日 スイス

 

お祝いの言葉

JAMSNET-東京から

ジャムズネットスイス開設、おめでとうございます。

グローバルの時代と言われて久しいですが、今年発生した新型コロナウイルス感染症は、感染症は一国の問題ではないということを改めて痛感させる事例となりました。14世紀に大流行したペストは、スイスを含む欧州にも甚大な被害を及ぼし、人口を半減させたと聞いています。黒海沿岸クリミア半島のカッファという街から始まったペスト感染症が、世界中に広がるのに当時は数年間を要していますが、今回のコロナは数ヶ月の間に、またたくまに世界中に広がりました。感染症・疾病対策においても、世界中の協力が不可欠な時代となっています。世界中にネットワークをもつジャムズネットは、911・世界同時多発テロを経験したニューヨークで最初に設立されたのですが、こうした時のためにあったとのだと改めて実感しています。スイスという歴史のある国に、このネットワークが広がったことは、スイスのみならず周辺、欧州に在住される多くの邦人の皆様にとって意義は大きいものと思います。さらに言えば、スイスの情報がネットワークを通じて世界に広がることは、全世界の邦人にとってもたいへん有意義であると考えます。

同胞支援を目的としたジャムズネットでありますが、家族愛、同胞愛、隣人愛なくして国際協調は無いと信じており、このジャムズネットの活動が世界中の皆様の幸福につながるものと信じています。

是非、長く活動をしていただくよう、期待しています。

2020年7月末日

ジャムズネット東京理事長 仲本光一

仲本光一先生

JAMSNET-N.Y.から

JAMSNET-SWISS
リッチャー美津子様
関係者皆様

このたびは、JAMSNET-SWISS のご開設、まことにおめでとうございます。
これも、リッチャー様初めご関係者皆様方の邦人コミューニティに対する温かいご信条とご尽力の賜物と、私共一同、心から、敬意を表する次第です。

ジャムズネットは、2006年1月12日、在ニューヨーク日本国総領事館の協力を得つつ、日本政府, NPO, 企業の三者が共に日本人コミューニティへの支援という共通の目的に向かって連携・協力するという構想の下で創設されて以来、今や、日本、カナダ、アジア、ドイツを初め、世界46か国に広がりを見せております。
海外における邦人への支援には、こうした官民一体の取り組みが必要不可欠であることは、世界中どこでも同じであろうと考えます。

このたび貴団体が創設されたことで、世界の中で、国、地域ごとの邦人支援ネットワークがより有機的に結びつき、定期的な情報交換を通じて同じ志をもつ者同士が相互に学び、地域ごとの邦人社会に対するより効果的な支援の在り方を共に考えることにより、世界各地での日本人コミューニティの安全と安心を一段と促進できることを心から期待しております。
今後、同じ目的に向かって、共に邁進できますことを、楽しみにしております。
JAMSNET-SWISS の末永きご発展とご成功を謹んでお祈り申し上げます。

2020年8月吉日
Japanese Medical Support Network, Inc. (JAMSNET)
邦人医療ネットワーク(ジャムズネット)
代表 本間 俊一、M.D.
理事、会員 一同

本間俊一先生

JAMSNET-カナダから

ジャムズネット・スイス結成に寄せて

スイスの建国記念日に合わせて、ジャムズネット・スイスを立ち上げられた皆様、ネットワークの創成を心よりお祝い申し上げます。これでヨーロッパもドイツと並んで二つ目の核ができたわけですね。イギリスやフランスにも私たちのネットワークに参加された方がいらっしゃいますし、これからますますヨーロッパにお住いの日本人・日系人の心のよりどころとなる活動を積み上げていかれることを期待しています。

ジャムズネット・カナダは2014年の1月に、当時オタワの日本大使館の医務官でいらした仲本光一先生の呼びかけに呼応し、トロント総領事館のバックアップの下に生まれました。トロントで長く社会貢献活動をしておりました関係で、私が会長を仰せつかりましたが、その時のチャレンジは、あまりにも広大なカナダで果たしてネットワークができるのか?という疑問・不安でした。その後、毎年一回ずつカナダの主要都市で総会とやさしい言葉で語る講演会を続け、少しずつ気心のしれたメンバーができてまいりました。添付した写真は、2017年7月にカナダ政府から非営利法人と慈善団体登録が承認されたあとの最初の理事会の時の写真です。向かって右から、柴田ヘンリー隆典名誉会長、高野朋子副議長、シェーンホッファー由美オタワ担当理事、それに理事会議長の私です。場所は柴田先生のご自宅、それにバンクバー、カルガリー、トロントから四人の理事がオンラインで遠隔参加しています。今年もオタワで柴田先生の特別記念講演会と第五回理事会・第七回総会を行う予定でしたが、コロナ禍の中で、一つの所に集まることはできず、すべてオンラインで行いましたので、皆さんが寄り合うことはありませんでした。それでも22名の会員がカナダ各地から参加してくれたのは、大変嬉しいことでした。結成当初、会員数26名でスタートし、現在では98名の皆さんが参加するネットワークになっています。

カナダの日系一世の皆さんの言葉で私が好きなものに、「寄り合い」という言葉があります。またどなたかの家に行くことやごちそうをいただくことを「よばれる」といわれます。もともと日本の地域社会の言葉だと思いますが、そのような人と人のつながりを大切にしたネットワークが世界中でできていき、相互交流ができればいいと期待しています。ジャムズネット・スイスは生活者の視点で、外国で暮らす日本人・日系人の皆さんの生活に役立つ活動をされると思います。どうぞ一歩ずつ確実な歩みを遂げていかれますようにお祈りいたします。そしてまたどこかでお会いできることを楽しみにしています。

2020年7月25日

ジャムズネット・カナダ理事会議長
傳法(でんぼう)清

向かって右から、柴田ヘンリー隆典名誉会長、高野朋子副議長、シェーンホッファー由美オタワ担当理事、傳法清先生

JAMSNET-ドイツから

JAMSNETスイスのメンバーの皆様
リッチャー美津子様

このたびのJAMSNETスイスの設立、心よりお慶び申し上げます。

スイスはドイツのお隣の国、人の行き来も盛んで、文化的背景、習慣、言葉、医療体制など似ています面が少なくありません。今後、JAMSNETドイツの知識とネットワークを、そしてJAMSNETスイスの叡智と情報をお互いに交換、共有しながら、スイス、ドイツそして欧州内に暮らされています邦人の方々の健康のために協力し合っていくことができればと期待しております。

スイス、ドイツを始め欧州内には多くの日本人の方々がお暮らしになられています。長年こちらに住んで現地の言葉が堪能な方、駐在でご活躍なされていらっしゃる方とそのご家族、勉強にいらしている方など、遭遇致します健康上の課題は様々ですが、往々にして日本語でのサポートが望まれる、必要となりますことが少なくありません。JAMSNETの基本理念の「海外に暮らす在留邦人の心身の健康を日本語でサポートする」ことの意義は大切と考えます。今回、地理的にも欧州の中央に位置しますスイスにJAMSNETスイスが誕生しましたことはとても嬉しいことで、世界のJAMSNETの仲間とともにこれからの発展を応援させて頂くことができればと思っています。

JAMSNETドイツ自身も設立されてからの日が浅いネットワークですので、これからJAMSNETスイスの皆様から教えて頂くことやご助言を頂くことも多いかと存じます。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

JAMSNETスイスの邦人社会へのご貢献を期待し、今後のご発展をお祈り申し上げます。

2020年8月1日

JAMSNETドイツ会員一同
JAMSNETドイツ代表

馬場恒春

馬場恒春先生

 

 

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